春に出会う植物の香り -②
四季のはじまりである植物の芽吹きのとき、生命のはじまりにエネルギーが溢れているのを感じます。梅や水仙、菜の花、春の植物が優しく私達の視覚に映り、それぞれの植物の香りが心を温かくしてくれます。
春に出会う植物の香り -②
香りに特徴があり、よく香水のテーマにも挙がる「ヒヤシンス / Hyacinthus orientalis 」
香水では認知度高い Jo Malone の Honeysuckle & JasmineやBond No 9 の Madison Square Park などなど多数の香水のテーマに。
庭植えでは3月~4月頃、寒冷地では少し遅れて4月~5月頃に咲き、室内で水耕栽培の場合、ヒヤシンスは2月頃から開花を楽しめます。
そんなヒヤシンス、この時期は都会の公園でもよく目にします。
ユリ科に属すヒヤシンス、原産地は地中海に面したシリア、トルコ、ギリシャあたりと言われており、日本には安政年間に渡来。
香料の世界では、グリーンノートの代表とも言えるヒヤシンス。独特なヒヤシンスの甘さがあり、とっても強いグリーン感。シンナミックな部分やスパイシー感(シンナミルアルコール、シンナミルアセテート)にローズ(フェニルエチルアルコール)のような、個性的な香りに感じます。
五感の中でも唯一脳に直結する嗅覚、毎日、一瞬でも自然の香りに触れるとダイレクトに心身の声を聞けるチャンス。
香りへの感じ方は人それぞれの価値観なので、先入観を含まず自分がどう感じるかを大切に。
因みに、私自身は近年の強く粗いケミカル原料中心の香水の香りよりも、天然香料の特徴を活かす調香が好みで、ヒヤシンスというとPenhaligonnoのBluebellなんかを思い出します。余談ですが、近年は消費者トレンドや安定供給が重視され、天然香料を活かす調香技術が減ってしまったように思います。
自然の生の香りは音楽のリズムやハーモニーに対して感じるように、どんな花の香りの構造にもバランスと調和を感じる。
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